昭和は遠くにありて 〜南極の風光〜

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1994/12/23 午後
南極昭和基地上空

1月25日記事のフォローですが、「南極点」は自転軸が南側の地面と交わるところですので、地球儀の下側を見るとそこには米国のアムンゼン・スコット基地があることがわかるでしょう。この基地の周辺のことを指すというのが、ア.の「南の極」になります。でも普通には、ウ.の認識が多数派のようです。それでは昭和基地はどこなのかというと、南極大陸(写真左上の丘のようなところ)から4kmほど離れた小島の岩盤の上に建てられています。日本列島を大陸として例えると、明石海峡越しの淡路島みたいな距離感でしょうか。もしイ.南極大陸を正解とすると、昭和基地は南極というエリアに含まれないことになってしまいます。
※昨日、南極行に際して大変お世話になった先輩の訃報を聞いた。南極が大好きだった先輩は奇しくも昭和基地開設60年の前日に他界し、その魂は白い荒野を駆け巡っていることだろう。その早過ぎる旅立ちに、合掌…
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24時間営業の太陽

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2002/12/10頃
南極昭和基地


太陽が12月3日以降沈まなくなり、昭和基地では約1ヶ月間夜中にも太陽が輝く日が続く。厳しかった越冬も終わり、基地では次の観測隊を迎えるための準備が進められている。あと一週間後、次の観測隊が行なう夏の建設作業等で基地内は大賑わいとなる。静寂の昭和基地を撮影する最後のチャンスに、360°の沈まぬ太陽を撮ることにした。フィルムカメラなので、帰国までどのように写っているかはわからない。現像後に上がってきたスリーブを見て、うまく写っていた時の感動は大きかった(Kizu)。

※スペシャル・ゲストのKizuさんから、素晴らしい写真を紹介する了承を得られました。Kizuさん、どうもありがとうございます。
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若草山焼き 〜折々の空〜

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2013/1/26 夕方
奈良県奈良市

神戸に住んでいた時、以前から見たかった若草山の山焼きを見物しに行った。毎年1月の第4土曜日に行なわれる行事で、2013年は1月26日。暗くなると山頂付近から花火が打ち上げられ、それが終わる頃に山腹に点火される。麓の東大寺近くの草原は照明がなくて暗く、花火が終わった後は山火事のようでちょっと恐ろしい雰囲気だった。流布している写真だと盛大な花火の下で山全体が燃えるような絵柄が多いが、あれは多重露出による華麗すぎるイメージ写真だと知った。
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春節始まる 〜折々の空〜

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2017/1/29 午後
神奈川県横浜市

職場の写真クラブ”写楽会”の撮影会企画で、横浜中華街に行ってきた。今年の春節は1月28日(土)~2月11日(土)で、始まりのこの日は大賑わいだ。15時半からは独特の獅子舞「採青(ツァイチン)」が街のあちこちで披露され、5頭の獅子が商売繁盛と五穀豊穣を祈って回る。
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ボヘミアン・バロックの農村、ホラショヴィツェ 〜旅の空〜

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2009/7/15 午後
チェコ共和国ホラショヴィツェ

路線バスで行くチェコ南部・南ボヘミアの郊外は、小麦畑と牧草地が広がり、「ここは北海道か」と見紛うような景色だった。小さなバス停で下り、ちょっと歩くと世界遺産の農村の広場に出る。細長い草地の両側に、南ボヘミアのバロック様式の家が50軒ほど並んでおり、何とも素朴で愛らしい。日本でいうと、会津の大内宿みたいな規模感であろうか。しかし大内宿はショップもたくさんあり観光客で大賑わいだが、この村を訪れているのは僕たちのほか7〜8人だけだったので、実に贅沢な静寂さを楽しんだ。
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枯れ草に花を、シモバシラ

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2017/1/25 朝
東京都

噂のシモバシラを、初めて見た。
枯れた草の根元に
毛細管現象で咲いた冬の花は、
かつら剥きの大根のようも見えた。
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チェスキー・クルムロフで、中世とエゴン・シーレを想う 〜旅の空〜

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2009/7/16 午前
チェコ共和国チェスキー・クルムロフ

13~16世紀の中世の街並みが残るチェスキー・クルムロフ旧市街は、「世界で一番美しい街」と称賛される眺望だ。誰がかようなキャッチ・コピーを発し、それを保証するのかわからない(よほど世界中を見聞した旅人なのだろう)が、確かにこの眺めは素晴らしい。『接吻』などで人気があるグスタフ・クリムトの弟子で、『死と乙女』『家族』などの作品が心に刺さってくるエゴン・シーレも、母の故郷であるこの街を愛して22歳頃に一時期アトリエを構えたという。この街が美しい理由は、その特異な地形にもある。屈曲するヴルタヴァ川に囲まれる低いエリアに瀟洒な古い建物が並び、そのエリアの外側にクルムロフ城が聳えるという対比が、誠に興味深い。
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Separate Ways 〜南極の風光〜

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1995/8/  昼
南極昭和基地沖の海氷上

南極に行くには、大別して2つの道があります。もしも僕が億万長者だったなら、南米チリの町プンタ・アレナス発の南極クルーズ船に乗り、究極は南極点までフライトすることができたでしょう(ツアー代金は500~900万円程度)。でも、僕はもう一つの道を、南極観測隊員になって南極観測基地に行く道を選びました。そして日本の南極観測基地のメインは昭和基地、そこへ向かう観測隊員はひと夏で帰る夏隊員と、約一年間を過ごす越冬隊員とに別れていて、僕は後者でした。
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竜巻 ~ゲスト提供~

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1964/2/1 朝
東京都伊豆大島岡田


1964年2月、強い寒冷前線に伴って伊豆大島岡田沖に竜巻が発生した。同一の親雲から合計6〜7本のものが次々と発生するのを、陸上から目撃し数枚を撮影できた(MOC Norio)。

※スペシャル・ゲストのMOC Norioさんから、素晴らしい写真を紹介する了承を得られました。MOC Norioさん、どうもありがとうございます。
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ディスティネーションは南極 〜南極の風光〜

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1994/12/14 昼
南極海

南極への行き方についてご質問をいただきましたので、何回かに分けて解説いたします。
まず手始めの問:「目的地は南極…とした時、そこはどの地を指すのか、次の3つより選びなさい。」
 ア.南極点
 イ.南極大陸
 ウ.南極大陸と、その周辺の海
正解は、ア.またはウ.になります。
イ.も△であり、「南極収束線」という線から南側のエリアのことを南極と呼ぶのが一般的なのです。
この写真はウ.の南極海に入って、氷海を南極へと向かっているところです。
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レイン・ウーマン ~ゲスト提供~

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2015/11/17 22時30分
東京都台東区


旅先で雨に降られやすい雨オトコ・雨オンナは、
この世界中にどれくらい存在するのでしょう。
雨にはたくさんの物語が宿ります。
彼らと彼女たちは、
そういう情景に遭遇し、
ストーリーを紡ぐパワーを持っているのです(Naomi)。

※スペシャル・ゲストのNaomiさんから、素晴らしい写真を紹介する了承を得られました。Naomiさん、どうもありがとうございます。
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南極の放射状巻雲

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1995/10/21 15時30分
南極昭和基地


この広い大空いっぱいに、
すじ雲が一斉にやって来た。
僕はいっぱしの魚の眼になって、
一発屋のようにそれを見上げる。
一体、何という光景だろう。
心臓が一拍血液を送り、
一切の思考を押し流してゆく。
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Narcissus 〜折々の空〜

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2017/1/22 朝
千葉県

早春の使者スイセンの学名Narcissusは、ギリシャ神話に登場する狩人ナルキッソスに由来している。彼はいわゆる超イケメンで、あらゆる求愛を拒んだ結果神々の怒りを買い、水面に映った自らの姿に恋するという罰を与えられた。抱きしめることのできない虚像を見て懊悩し、苦しみの果てに息絶えてスイセンの花へと変身した、という話である。このストーリーを劇的に描いたカラヴァッジョは僕の大好きな三人の画家の一人で、バルベリーニ宮美術館の素晴らしい作品のことを思い出しながら撮影した。もし機会があれば、水辺に咲く一輪の水仙に出会いたいものだ。
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降竜伝説のハロン湾Ⅱ 〜旅の空〜

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2017/1/16 昼
ベトナム社会主義共和国ハロン湾

ベトナムの町は、濃厚な生活の匂いに満ちていて、どこか昔日の日本を思い起こす。ハロン湾のホンガイ市場は、魚介や野菜などが誠にワイルドに並べられていて、人々のパワーに圧倒される。その雰囲気はまた、ドラゴンボール伝説のハロン湾とよく似合う。
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逆さ虹に、未来の明暗を想う 〜折々の空〜

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2017/1/20 朝
東京都

震災イチョウの上空に、環天頂アークが現れた。氷の結晶の雲から生ずる暈現象なので、虹ではない(虹は水滴から生ずる)。しかしその鮮やかな色彩と、反り返った形状から「逆さ虹」と呼ばれることもあるようだ。虹には希望や祝福のイメージがあるが、逆さ虹を見て人々は何を思うのだろう。1月20日は米トランプ大統領の就任式があったが、未来が明るくなると考えているのは少数派のようだ。この逆さ虹が、吉兆であるといいのだが…
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降竜伝説のハロン湾Ⅰ 〜旅の空〜

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2017/1/16 昼
ベトナム社会主義共和国ハロン湾

ハノイとハロン湾の旅に行ってきた。実際に見てみないと現実とは到底思えないこの絶景は、石灰岩台地が沈降・隆起してできたという。伝説では、竜の親子が降り立って外敵を滅ぼし、口から吐き出した宝玉が島々になったそうだ。晴れればもちろん素晴らしいが、雨や曇りだとリアル水墨画ワールドが眼前に広がり、感嘆符が宙を彷徨う。
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真珠母雲、あるいは真珠雲

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1995/8/3 16時
南極昭和基地


極夜(きょくや)が明けて8月初旬の昼から夕方にかけて、上空に幻想的な色彩の極域成層圏雲が現れた。普通の雲ができる対流圏よりも高い成層圏に発生するこの雲は、低い太陽の光を回折・干渉させて真珠母貝の内側に見られる虹のような色彩を帯びるため、真珠母雲と呼ばれる。高度15kmもの高空に浮かぶため、日没後にもしばらく妖しい輝きを放っていた。なお、昭和基地での目撃例は50年間に2回しかない。
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南極の暈現象Ⅱ

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1995/8/30 15時10分
南極昭和基地


暈現象Ⅰの翌日も気温零下27.3℃まで冷え込んだ。午後の弱々しい太陽の光に、ダイヤモンドダストがキラキラと輝き、暈現象を描き出す。前日と比べて、下に伸びるサンピラーが顕著であり、さらにその下には逆V字形の下部タンジェント・アークが見えている。太陽左側の幻日からは、曲率の異なる見慣れない弧が垂直に伸びているのがわかるだろうか。これはサブサン・ドッグ(映日)といって、サブサン(映日)の幻日のようなものである。
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レンズ雲の彩雲

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1995/2/3 7時40分
南極昭和基地


巨大なレンズ状の雲が東の太陽を覆い始めた。やがて雲の縁が美しいパステルカラーに彩られ、彩雲となった。レンズ雲の下には、逆光に輝く南極大陸を背景にした昭和基地管理棟がそびえている。彩雲は光の回折・干渉によって生ずる現象であり南極においては頻度としては珍しいものではないが、これは今まで見た中でも屈指の美しさと風格であった。
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阪神・淡路の日 〜折々の空〜

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2013/1/17 夜明け前
兵庫県神戸市

22年前の1995年1月17日は、阪神・淡路大震災が発生した日であり、毎年1月17日には追悼行事がある。あの日の夜明け前5時46分に、最大震度7の激震が発生。黒い煙が立ち上り高速道路が倒壊したテレビ映像などが衝撃的だったが、実は死者の多くは非固定の家具類の下敷きになっていたということを、忘れてはなるまい。今、「あなたの家の防災対策は何ぞや?」と問えば、多くの人が「水や非常食や懐中電灯を持ち出しリュックに入れている」などと答えるという。しかしこれは、家具類の倒壊から生き残るという仮定かつ前提であり、すでに「私は大丈夫だ」という正常性バイアスの影響下にあるのかもしれない。もし、あなたの家で家具の固定がまだならば、まずはその確実な実施が、愛する人とあなたを守る重要な一手となるだろう。
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